2019/02/14
歯槽膿漏は歯周病の最終段階にある症状のことをいいます。歯肉が腫れあがり、出血を伴い、歯を支えている歯周組織とよばれる、歯槽骨や歯根膜、セメント質が破壊されている状況であり、いつ歯が抜け落ちてしまってもおかしくない状況であります。
歯が抜け落ちてしまうと、食べ物が食べづらくなるだけではなく、歯がないことで審美的にも劣り、歯が抜けたことによりスペースができてしまい左右の歯が移動してしまう場合や、抜けた部位によってはしゃべりにくくなり、たった1本の歯を失うだけで、身体的にも、機能的にも審美的にも支障をきたしてしまいます。また抜けてしまう歯は1本とは限らず数本抜ける場合もあるため、更なる支障をきたしてしまいます。
では、どうやって歯槽膿漏を防げばいいのでしょうか?
歯槽膿漏の原因
歯槽膿漏になってしまう原因は、歯周病です。歯周病の原因は、食べかすやプラーク(歯垢)です。プラークは細菌の塊であり、白く粘り気のあるプラークには、1mg中数億、数兆以上の細菌が存在します。その細菌が歯肉に炎症をもたらし、進行していくにつれ歯を支えている歯槽骨や歯根膜、セメント質を破壊していきます。
プラーク(歯垢)
プラークは、唾液の流れが悪く食べかすが溜まっている場所を好みます。特に歯と歯肉の間の溝である歯周ポケットに付着する傾向があり、食べかすなどから細菌が住み着くと、食後から約8時間後にはプラークが形成され、プラークは、唾液に含まれる成分であるカルシウムやリン酸に反応し、石のように硬くなり、歯石となります。
歯石
歯石になるまでには約48時間と研究結果がでており、プラークになるまではもちろんのこと、目に見える汚れであるプラークを除去するための日々のセルフケア、歯磨きが重要になります。
歯石は歯磨きをしてもプラークのように歯磨きなどで除去することはできず、歯科医院で専用の機器を使用しなければ、除去することはできません。
プラークコントロール
98%の方が1日2~3回歯磨きをしているとデータがありますが、ただ歯磨きをしているだけでは、虫歯や歯周病・歯槽膿漏は防げず、正しい歯磨きの仕方を患者さま自身が身に着けることが重要です。
正しい歯磨きの仕方
歯磨きをするときは、1本1本磨くことを意識し、小刻みに動かしながら磨いていきます。1本の歯に対し、横から縦からと磨くことで表面や歯と歯の間の汚れを除去することができます。
歯と歯肉の境目を優しくマッサージするように、小刻みに歯ブラシを動かしましょう。このときあまり力を入れすぎると、出血してしまう場合もあるので注意しましょう。
慣れるまでの間は、鏡をみながら歯を磨くと、磨きやすくなります。
以上、歯槽膿漏を防ぐためにはどうすればいいのかをご紹介いたしました。
正しい歯磨きの仕方は、当院でも随時指導を行っておりますので、お気軽にご相談ください。プラークコントロールを行い、歯槽膿漏を防ぎましょう。